92期生天真みちるさん(愛称たそ)の本を読みました。
この表紙は『はいからさんが通る』牛五郎。
牛五郎は、たそが自らプロデューサーに直談判した演じてみたかった役。
顎が割れたようにシャドウが入ってるメイクの細やかさ!
まず、本の構成がタカラヅカ独特の方式に沿っていてユニーク。
『こう見えて元タカラジェンヌです』の公演さながら開演前の『ごあいさつ』から始まり、二幕33場(入団を目指したキッカケ〜退団公演まで)、後日談の『さよなら皆様』
何より文章が軽快!
本の帯に「抱腹絶倒間間違いなし!」
とある。
私的には終始ニマニマしながら読んだが、元タカラジェンヌの奮闘記は面白くて可笑しいだけじゃない。
舞台で輝くまでには並々ならぬ努力や苦労がある。
(でも、思わず声を出して爆笑したのは35ページ。気になる人は是非読んでね)
ある日突然、おばあさまから「タカラヅカに入りな」と言われたことがキッカケで、宝塚音楽学校の受験に挑むも1次試験で敗退。
リベンジ受験を決意するが、レッスン代を稼ぐため巫女のバイトをしながらレッスンに励む。
受験を数日前に控えたある日、勤め先の神社でおみくじを引くも、生まれて初めての「凶」をこのタイミングで引いたが、ありったけの笑顔で挑んで見事合格‼️
入学後は日々のレッスンと眠気と戦い、
2年間の集大成「文化祭」では、人生最大の難関のピアノ演奏を披露。
音楽学校を卒業し、入団後の初舞台生に課せられたのは御織先生振付『41回の足上げ』ラインダンス。
研2(初舞台から2年目)は新人公演の役が組長さん(夏美よう)の役に。
研3でまさかの小劇場選抜落ちという事態にグレたが、猛省して自己アピール(ウィンク大量)を強化。
研4で初の『髭のおじさん』を演じてから、『情報量の多いおじさん』役の道が続く。
裏で麻薬を密売している医者
モヒカン刈りの用心棒
髭もじゃの変態医者
常に半目(薄目)状態の右大臣
主役の吸血鬼に血を吸われめちゃめちゃ狂う不動産仲介人
等々
たその場合、自ら演じてみたい役と与えられた役が合致したようだが、容姿(丸顔童顔&美肌)が反比例していたので、それは苦労したのだと思う。
『クセのあるおじさん』を作り上げていく為に専科の悠真倫さん、夏美ようさん、汝鳥伶さんたちに
『おじさん肌の絶妙なくすみ具合』
『顎の割り方』
『ゴリッゴリの眉毛・もみあげの描き方』
『白髪の入れ方・貼る描く』
『無精ひげ・剃り残しの描き方』
など、おじさんのスペシャリストたちからの教えがあった。
たそのような人材はタカラヅカにとってとても重要だと思う。
専科に頼るだけでなく、組子から老け役をきちんと作り上げていける生徒がいると、芝居に厚みが増す。
つまり、脇役や老け役を疎かにされると
芝居が薄っぺらく感じてしまう。
新人公演の最上級生になる頃に、『脇役のトップスター』を目指し精進してきた。
退団を決めた経緯や『タンバリン芸』が何故生まれたかはとても意外だったので、そのあたりは是非、読んで頂きたい。
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つらつら書いていたら、NHKBSで『はいからさんが通る』が放送されるとのこと。
7月22日(木・祝)24時45分~
牛五郎に注目して再び観たいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。