なっきーの雨垂れ石を穿つブログ

アラ還お気楽主婦の日常

回想 母が一人暮らしになってからのこと

三年前に母は他界しましたが、

今でもふと思い出すことがあります。

 

それは、父が亡くなって母が一人暮らしになってからのこと。

一人暮らしでは寂しいだろうからと、息子のぬいぐるみ(小さな犬)を置いてきた。

そうしたら、母はそれをとても可愛がって、まるで生きている犬のように扱うようになった。

寒いからとコタツに入れてやったり、TVを見せてやったり。

始めのうちは、ごっこ遊びの延長のようなものかな?と様子を見ていたのだけれど、

「この子の好きなTV番組はこれ」とか、買い物で留守にする時もTVを見せてやったりとか、

私がちょっとでも扱い方を雑にすると、「かわいそう、かわいそう」と言ったり。

余りにも思い入れが強くなってきて、

これはさすがにマズイのではないかと思った。

このままにしておいたら、認知症になってしまうのではないかと怖くなった。

 

ある時、「私の具合が悪くなったら、この子はどうしらいい?」と、涙声で電話がかかってきたことがあった。

これは放ってはおけない、近くに呼び寄せないといけないかなぁと考え始めた。

春休みになってやっと、息子と帰省することができた。

自宅に戻る際、荒療治かなぁとも思ったが母からぬいぐるみを返してもらう事にした。

母は玄関先で泣いた。

 

その後も心配で、再々電話をしていたが

ぬいぐるみの話は出ることはなかったし、少しづつ元の母に戻った。

 

あの当時は、認知症になってしまうのではないかと本当に心配だった。

今でも、あれはなんだったんだろうと思い返す。